2009年7月27日
梅雨の晴れ間に
梅雨の晴れ間と言う言葉には釣り人ならではの心躍る瞬間がある。こんな日に釣りが出来るチャンスは雨男には中々巡って来ない。稀代の晴れ男のMさんとの過去の釣行でも何度もレインギアを羽織って釣りをしている・・・・
小町ヤマメが気になって来たのにそれ以上に気になる水量に県をまたぐ前に竿を出しましょうとなった。テトラ際の筋でゆったりとしたライズを見つけて・・・同じフォームでゆっくりとフライを咥えた9寸。珍しくもありがたい梅雨の晴れ間の釣りは30度を越える暑さとの戦いと言う様相だった。
午後からは今日の夜お世話になる湯沢の友人宅から1時間の昔親しんだ渓に足を運ぶ。10年数年前には信じられない釣りが出来た渓だがここのところ良い話がない。東京からの道のりでどんな釣りをしましょうか?と15年来続けて来た会話を 飽きる事なくする。どちらからともなくこの渓の話になり向かう事に。
とても素敵な渓なので良いタイミングで竿を出したいのだが中々そうも行かず、今回もお気に入りの区間は秋田に入る前の釣りのためか、午前中に一通り遊んだ釣り人の後を追った形で渋い釣りとなった。午前中は暑さでうだって水を浴びていたのにも関らず、この渓では季節はずれの雪代ではないかと思わせる水温の低さに縮み上がるほどのだった。
明日は天気が良いんだろうか?夕焼けまで見える程に好転している。天気には何とか恵まれた・・・・
夜は湯沢の居酒屋で友人と旧交を温めたのだが、何てことのない話題で杯が進み気がつくと酩酊状態で彼の家に転がり込み朝は完全に二日酔い。彼は日曜も仕事なので朝7時30分には釣りに行く僕達を横目で恨めしそうに出掛けた。
今日の渓は秋田のとある美渓の支流。入渓点からしばらく釣りあがると通らずが2箇所ありこの下でいつも上がっていた。入渓点でMさんが尺越えをバラシた後は反応が無く通らずの下まで来た。すると先行している釣り人の影が見えた。釣り下って来たルアーマン二人に聞くとやはり殆ど反応がないとの事だった。
折れ掛けていた心になぜか火がついた。かえって釣れない事でいつもより殆ど時間を掛けずにココまで来たから、通らずの上を見ましょう!と話たのが11時過ぎ。この判断が結果的には今回の釣行の分岐点になったのだから釣りは分からない。
通らずを抜けると難所を越えた割りに平坦な渓相が続く。雨後の渓は引き気味の水のある状態。水況はやや笹濁り。天気は降りそうで降らない蒸し暑さ・・・ムネアカオオアリを意識したテレストリアルをテンポ良く流れに投じて行く。
最初の尺イワナが出たのは、しばらく反応のない区間を通り越し昼食を取って交替した30mはあろう長いプールだった。開きがかなりの深さになっていて大きな岩がありそこの突き出た部分に流れがぶつかっている流速のあるポイント。
11番のテレストリアルがその筋に落ちて、岩の突き出たところに差し掛かった時岩陰からスーッと浮上したのがコイツだった。ためらう事なくフライをスッポリ飲み込んだところを見計らってフッキング!重い流れを上流に突っ込んだと思ったら砂地の駆け上がりを一気に下った。
ひとつ下の瀬を越してガンガン流れのプールの落ち込みへと突っ込む。その位置から下流側へ誘導するのは厳しそうなのでそのまま少し強引にランディング。よっしゃー!メジャーをあてると31cm。
ポイントを下流側から。右側の岩盤の向こう側に付いていた・・・・水が引きかけの良い状況であることが真ん中の丸石の水の跡でよく分かる。さあ人間にもスイッチが入った。
出ると8寸以上で大きなプールの巻きや深めの流速のある瀬で反応が良かった。イワナらしいゆるい瀬や小さなポイントにはあまりついていなくていかにも!と言うところでしか反応がない。イワナオンリーの渓だが密度がそれほど濃い訳ではないのか?それとももっと良い日があるのかは定かではないけれど・・・・
3時間ほど釣りあがったが渓は一向に険しくなる気配はなく延々と緩やかな瀬と淵が連続する。大体ここでやめましょうねと言う雰囲気に渓がしてくれる事が殆どなのだが今日ばかりはどこかで帰る決断をしないとダメそうだ。川通しでの帰路を考えると遅くとも16時30分にはあがりましょうねと声を掛けた頃から反応が良くなってきた。これも良くある話で・・・・
2匹目の尺もやはり大きなプールの開きだった。50cmほどの水深のところからゆっくり浮上したのは間違いなく尺オーバー!合わせが一瞬早かったのか乗りバレ・・・あああ。この広い瀬ならばまだチャンスがあるかなと思い別の筋に投じたフライにゆっくり浮上した別の魚・・・・これも良いサイズ!
と、寸でのところで振り返ってしまった。CDC系のテレストリアルにチェンジしてもう一度トライするが、フライを凝視しながら一緒に下った後沈んでしまった。これは何とかしたい!何度かフライを交換するも水面上への反応を一切しなくなったところでニンフ切り替える。
マーカーがゆっくり通り過ぎるとスッと気持ち良い位の消し込みがありゴンゴンとイワナ特有のノッキングが手元に伝わって来た。32cm!Mさんに先行してもらいしばらく休憩・・・
17時近くになり帰途に着く。底石が白く水が出たばかりと言う事もあり滑らないのでテンポ良く渓を下ると約1時間で入渓したところまで戻ってきた。あと30分位は竿が振れそうだからここから釣り下りでイブニングタイムを迎える事にした。
大粒の夕立が一瞬川面を叩いた後にサッと上がった。こういうシーンに出くわす事が多いのは雨男の特権だ。どんなに疲れていてもポジティブなフライマンはここで来るぞと思ってしまう・・・
一度釣り下った時に反応がなかった深いプールの対岸の岩盤の切れ目にフライを入れる。着水したフライの50cm上流に何かが動いた様に見えた。もう一度キャストする時には魚と確信して、右岸側の対岸ギリギリへ逆ハンドのカーブキャスト。2度程食い波にフライが揺られたところでその影がフライの方向に体勢を替えてゆっくり頭を持ち上げた。
『!』一瞬間をおいてフッキングすると増水した深い流心に一気に突っ込み、ロッドが満月になった。デカイよー!とすぐ上流側にいたMさんに声を掛けて強烈なやり取りを楽しむ。強くて深い流れのせいで何度も底へ流心へと行こうとするイワナをようやく浮かせてネットに入れた。
36cmの逞しいイワナ。6歳位になるのかもしれない。ここから先には堰がないから秋には今日戻ってきた辺りよりもっと先でまた逢いたいと思った。今度はもっと普通の場所から何気なくフライを見に来て驚かせて欲しい。ここまで大きくなるには色々な困難を乗り越えて来たイワナだろうからそのDNAのバトンをぜひ繋いで欲しい・・・・
峠にある露天の温泉に浸かった。二日間の疲れを一気に取る程の良い湯だった。7時を回っており完全貸切だったので写真を撮ってみた。今週はどこかで湯沢のお土産の稲庭うどんをつるつるっとヤリながら旅を反芻することにしよう・・・はんすう会!
■コメント(8)
御無沙汰をしています。
増水後の引き際わはなぜか反応は良い時が多いですね。
天然林の多い東北の渓は懐の深さと回復の早さ、そして無垢な渓魚たちが我々を虜にしていますですね。
尺三・・・・いいっすね~♪♪
mi-streamさん こんにちは。タイミングの妙って
ヤツです。今回の釣りは水量と天気の両方が相ま
って良かったと思います。
年に数回あるかないかのタイミングを狙うのは中々
難しいですが、そういう時があるからこそやめられ
なくなっちゃうんですよね。
高速1000円助かりますね。30万キロ以上高速
使ってる人には遡って割引とかしてくれるとすごく
うれしいです!(笑)
para-miyukiさん こんにちは!この区間は初めて
だったのですが相当お奨めです。激晴れの時にもう
一度魚を見つけながらやってみたいです。
事情聴取の際はmiyukiさんも別の参考資料をお持
ち頂けるとうれしいです(笑)
中々行けなくなっている中でまた別の渓の気になる
区間を釣ってしまいました。それにしてもまだやって
ない渓の方が多いこと!年間最低10本はいかない
と色んな意味で間に合いません(笑)
iwameさん こんにちは!こちらも中々PC前にゆっくり
座る時間がなくてごぶさたです・・・
雨男なので増水は良く見る光景なのですが、この引き
際の良いタイミングと言うのがミソでしたね。ラッキーで
した!
この渓を囲む森もすごく豊かでブナとミズナラの天然林
でしたから、水質も良く餌となる陸生昆虫も相当量供給
されるんでしょう。魚の楽園は釣り人の楽園でした!
daikyuさん、こんばんは☆
ドキドキしながら読ませていただきましたっ
釣れるのか釣れないのか誰にもわからないトコで勝負に出るのって
大好きです(^^
タイミングって本当に大事ですよねぇ~。。。
ダメでも良いからちょっと行ってみる?的に行くとちょうどのタイミングで
大当たりだったり…。
同じ渓の同じ区間に入っても、タイミングが違えば全然違う釣りに
なりますし。。。
だから釣りって、やめられないんでしょうねぇ~っ(笑)
caroさん こんにちは!秘密の渓があるよ・・・なんて
話聞くともちろんドキドキするんですけど、やはり肝心
なのはその渓の良い時に入るタイミングなんですよね。
ポテンシャルのある渓を知っても、良いタイミングでな
いと中々良い釣りになりません。釣りに出掛ける前か
らそんな事を考えて天気図を見たり、季節の進み具合
に思いを巡らすところから釣りは始まってるんですよね。
まさしく同じ日が一日としてないのが釣りの魅力の大元
でしょうからね。あーでもないこーでもないと色々言いな
がらいつも夢を見ていたいモノです!



daikyuさん、こんばんは!
1日で尺イワナ3本ですか!!
ホント、みちのくの渓はフトコロが深いですねぇ・・・
高速料金1,000円のうちに、一度くらいは行きたいものですが・・・